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平均と標準偏差

「平均」とは、μ(ギリシア文字のミュー)で示され、信号の平均値を表す統計学の用語です。 サンプルをすべて合計し、その値をサンプル数で割ることによって、あなたは平均値を得ることが出来るでしょう。 これを数式で表すと次のようになります。


まず、iの値を0からN-1まで遷移させながら、xiを加算していきます。そして最後に合計値をNで割ります。 これは次の式と同一です:μ = ( x0 + x1 + x2 + ... + xN-1 ) / N。 加算を表すΣという記号を知らないのなら、これらの式を学習し、そして表2-1のプログラムと比べてみてください。 このタイプの加算はDSPでよく利用されるので、完璧に理解する必要があります。


電子工学における平均は、一般的にDC(直流)と呼ばれています。 また、AC(交流)は信号が平均値のまわりをどのように変動するかを示します。 信号がサイン波や矩形波のような単純な反復波形である場合、ピークツーピーク振幅から 偏位を表すことができます。 あいにく、取得した信号のほとんどははっきりとしたピークツーピーク値を示さず、 図2-1の信号のようなランダム性を持っています。 このような場合、標準偏差と呼ばれる方法が利用されます。 標準偏差はσ(Σの小文字)で表現されます。