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タイトル

エコーロケーション

一般的に、遠隔地にある対象物の情報を得る場合は、その対象物に波(赤外線や超音波など)を 反射させます。例えば、レーダーは電波を放射し、その反射を調べることによって対象物の 位置情報を得ます。ソナーは、音波を使って水中の潜水艦などを発見します。 地球物理学者たちは火山の噴火の原因や深い地層からのエコーを調べることによって、地球を調査してきました。 これらは共通のテーマで結びついていますが、それぞれに特有の問題やニーズがあります。 ディジタル信号処理はこれら3つの分野すべてに革新的な変化をもたらしました。

レーダー
レーダーは「RAdio Detection And Ranging(無線の検知と測距)」の頭文字をとったものです。 もっとも単純なレーダーシステムでは、無線送信機が数マイクロ秒の長さの無線周波エネルギーを発生させます。 このパルスは高度な指向性を持つアンテナによって、光の速度で遠隔地に伝播していきます。 この電波が航空機に当たると、その一部が反射して近くの中継局の受信アンテナに入ってきます。 対象物までの距離はエコーが返ってくるまでの時間によって計算されます。 対象物が存在する方角はもっと簡単に知ることができます。 なぜならエコーを受信した時の指向性アンテナの方角が、対象物が存在する方角となるからです。

レーダーの動作範囲は次にあげる2つのパラメータによって決定されます。まず一つ目は 最初のパルスが持っているエネルギー量です。そしてもう一つは電波受信機のノイズレベルです。 残念ながら、パルスのエネルギーを増やすためには、パルスをより長くする必要があります。 しかしパルスを長くすると経過時間を正確に測定することができません。 この結果、広範囲で対象物を発見し、さらに対象物までの距離を正確に把握できるというレーダーの2つの重要な要素 を失ってしまうことになります。 

DSPはこのレーダーシステムの問題に関して、次のような革新的変化をもたらしました。 第一に、DSPはパルスを受け取った後に連結させることができるので、動作範囲を縮めることなく、正確な距離を得ることができます。 第二に、DSPは受け取った信号をフィルタにかけ、ノイズを減らすことができます。これにより、距離の測定精度を落とさずに動作範囲を広げることができます。 第三に、DSPは異なる波形や長さのパルスを迅速に選択、発生させることができます。 これらの技術を利用してパルスを最適化することにより、個々の問題に対応することができます。 そして今では、数百メガヘルツという無線周波数に匹敵するサンプリングレートが使用可能となり、各方面に強い印象を与えています。 レーダーに関していえば、DSPは高速なハードウェアと同じレベルのアルゴリズムを持っています。

ソナー
ソナーは「SOund NAvigation and Ranging(サウンドのナビゲーションと測距)」の頭文字を取ったものです。 ソナーは自ら超音波を発するものと、対象物が発する超音波を検知するものとに分けられます。 アクティブソナーは、2kHz〜40kHzの音波を海中に発し、その反射を検知して解析します。 アクティブソナーは海中にある遺体の発見と位置の確認、ナビゲーション、通信、そして海底図の作成などに利用されます。 アクティブソナーの動作範囲は最大で10〜100kmに及びます。 それに対しパッシブソナーは、自然の乱流、海洋生物、そして潜水艦や水上艦艇から発せられる音波をキャッチします。 パッシブソナーはエネルギーを発しないので、秘密調査などに向いています。 パッシブソナーを使えば、対象物に見つからずに対象物を発見することができます。 パッシブソナーの最も重要な用途は、潜水艦を感知し追跡するための軍事偵察システムです。 一般的にパッシブソナーはアクティブソナーより低い周波数の音波を利用します。これは、 低い周波数の方が水に吸収されにくいためです。 パッシブソナーの感度は数千キロメートルに及びます。

DSPはソナーに関しても、パルスの生成、パルスの結合、発見信号に対するフィルタリングという革新的な変化をもたらしました。 ソナーが低い周波数のパルスを利用するという点に注目すれば、ソナーはレーダーよりもシンプルに思えます。 しかし別の見方によってはソナーはレーダーより複雑な構造をしています。なぜならソナーが利用される環境は安定していないからです。 ソナーシステムは通常、単一チャネルよりも広い範囲で送受信を行います。 多くの信号の適切な制御と混合によって、ソナーシステムは目的地に向かってパルスを放出させたり、エコーが来た方向を認識できるようになります。

反射地震法
1920年代の初め、地球物理学者たちは音によって地殻の構造を発見しました。 探鉱者達が爆発を起こすと、その音が地表から10km以上下にある境界層に当たって反射します。地球物理学者たちはそのエコーを記録し、解析します。 これらのエコーの振動図は、とても良い目となって地表下の構造を描き出します。 地震反射法は油田や、鉱床、遺体を見つける際の一般的な方法として急速に広まりました。

この方法における理想的な結果は、地下に送った音波のエコーが一つだけ帰ってくることです。 しかし残念なことに、そううまくはいきません。エコーは地表に戻ってくる時に必ずエコー発生源より上にある 境界層を通らなければなりません。するとエコーが帰還途中の層の間で反射し、その結果第二のエコーが発生します。 このエコーは、信号の解明を複雑で困難なものにします。 ディジタル信号処理は第一のエコーと第二のエコーを分離させる方法として、1960年代から広く使われ始めました。 ではそれまではどのようにして地球物理学者たちはエコーを管理していたのでしょうか。 答えはとてもシンプルです。彼らは多重反射が最小限に抑えられる場所を利用していたのです。 DSPは海の下のような過酷な状況でも石油を見つけ出すことを可能にしました。